平成22年5月20日

企業会計基準委員会

実務対応報告公開草案第33号(実務対応報告第5号の改正)
「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)(案)」及び実務対応報告公開草案第34号(実務対応報告第7号の改正)
「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)(案)」


企業会計基準委員会より、平成22年度税制改正における連結納税制度等の一部改正を受けて、これまで公表した連結納税制度に関する実務対応報告の見直しを実施し、「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)(案)」(以下「その1改正案」という。)及び「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)(案)」(以下「その2改正案」という。また、その1改正案と合わせて「本公開草案」という。)が公表されました。本公開草案に関するコメントの募集は平成22年6月8日(火)までとなっています。
(改正の概要)
実務対応報告5号及び7号について、平成22年度税制改正において連結納税制度を含むグループ法人税制の改正が行われたことを踏まえ、当面必要と考えられる改正を行っている。

  • 連結納税主体を一体として回収可能性の判断を行うにあたって、対象となる繰延税金資産に特定連結欠損金に係るものが含まれている場合には、連結納税主体の課税所得の見積額(連結所得見積額)と各連結納税会社の課税所得の見積額(個別所得見積額)の両方を考慮して判断することに留意する。
  • 平成22年度税制改正において、完全支配関係(法人税法第2条12の7の6号参照)にある国内会社間で平成22年10月1日以後に行われる資産の譲渡取引により生じる譲渡損益の繰延制度が導入され、連結納税を行わない場合であっても、完全支配関係にある国内会社間の資産の移転に係る損益のうち一定の要件を満たすものは課税が繰り延べられることとなる。この場合の譲渡当事会社の属する企業集団の連結財務諸表における税効果会計の適用及び売手側の個別財務諸表における税効果会計の適用についても、連結納税制度を適用している場合の損益の繰延の取扱いと同様になる。
  • 連結納税制度を新たに適用する場合の取扱いについて
  • 連結納税会社の個別財務諸表における繰延税金資産の回収可能性の判断において、法人税の連結欠損金個別帰属額に係る繰延税金資産の回収可能性の判断については、連結納税の計算に従って、以下の通りに行う。(イ) 連結納税主体の連結欠損金に特定連結欠損金が含まれていない場合は、連結所得見積額を考慮する。(ロ) 連結納税主体の連結欠損金に特定連結欠損金が含まれている場合は、連結所得見積額及び各連結納税会社の個別所得見積額の両方を考慮する。

 (適用時期等)
改正実務対応報告は、平成22年6月30日以後終了する事業年度末及び四半期会計期間末より適用する。ただし、平成22年6 月30 日より前に終了する事業年度末及び四半期会計期間末より適用することができる。なお、その適用については、会計方針の変更とは取り扱わない。
(詳細については、企業会計基準委員会ホームページをご覧ください。)