平成22年6月30日

企業会計基準委員会

改正企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」、改正企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」及び改正実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」の公表

企業会計基準委員会では、平成21年12月に公表された企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24 号」という。)を受けての所要の改正のほか、会計基準のコンバージェンスの観点から、国際会計基準審議会(IASB)における今後の検討でも影響を受けないと考えられる国際財務報告基準(IFRS)との既存の差異や我が国の市場関係者から実務上の対応要請がある点について短期的に対応するため、企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」及び実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」の改正について審議を重ね、今般、標記の企業会計基準、同適用指針及び実務対応報告(以下「改正会計基準等」という。)を公表しました。

(改正会計基準等の概要)

■改正企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」(以下「会計基準」という。)及び改正企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という。)

・当期及び当期の貸借対照表日後に株式併合又は株式分割が行われた場合(会計基準第30-2項、第30-3項、第31項、適用指針第16項、第41項)
普通株式の期中平均株式数及び普通株式増加数は、表示する財務諸表のうち、最も古い期間の期首に当該株式併合又は株式分割が行われたと仮定して算定する。

・会計方針の変更又は過去の誤謬の訂正が行われた場合(会計基準第30-4 項、第30-5項、適用指針第36-2項)
表示期間(企業会計基準第24号第7 項(1))の1株当たり当期純利益、潜在株式調整後1株当たり当期純利益及び1株当たり純資産額を、遡及適用後又は修正再表示後の金額により算定する。ただし、過去の期間の財務諸表に注記された潜在株式調整後1 株当たり当期純利益は、その後の期間の転換証券の普通株式への転換又は普通株式の株価の変動などにより、潜在株式に係る権利の行使の際に仮定した事項が変化した場合であっても、遡及的に修正しない。

・ストック・オプションに関する取扱い(適用指針第22項)
潜在株式調整後1 株当たり当期純利益の算定上、自己株式方式を用いる際に、ストック・オプションの権利の行使により払い込まれると仮定された場合の入金額には、ストック・オプションの公正な評価額のうち、将来企業に提供されるサービスに係る分を含める。

・子会社等が発行する親会社の潜在株式が存在する場合(適用指針第33項)
子会社等が、親会社の普通株式に転換等可能な潜在株式を発行し、その権利の行使を仮定することにより希薄化する場合には、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定にあたり、親会社の潜在株式に含める。

・親会社が発行する子会社等の潜在株式が存在する場合(適用指針第33-2項)
親会社が発行する子会社等の普通株式に転換等の可能な潜在株式について、その権利の行使を仮定することにより、親会社の持分比率が変動し、その結果、連結上の当期純利益が減少する場合、当該潜在株式は、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定にあたって考慮する。

・改正実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告」という。)
. ワラントの行使価格が期中に修正された場合(実務対応報告 Q5-2 A(1))潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上も、当該修正を反映して計算を行うことが適当であると考えられる。したがって、行使価格修正日前までの期間については期首の行使価格により普通株式増加数を算定し、行使価格修正日以後の期間については修正後の行使価格により算定する。

.・転換証券の転換価格が期中に修正された場合(実務対応報告 Q5-2 A(2))
ワラントの行使価格が期中に変更された場合の考え方と同様に、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、転換価格の修正を反映して、転換価格修正日前までは当期首の転換価格を利用し、転換価格修正日以後は修正後の転換価格を利用する。

・適用時期
平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用する。


(詳細については、企業会計基準委員会ホームページをご覧ください。)