平成30年3月30日 金融庁 |
「コーポレートガバナンス・コードの改訂と投資家と企業の対話ガイドラインの策定について」 |
「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」では、「コーポレートガバナンス・コードの改訂と投資家と企業の対話ガイドラインの策定について」と題する提言が取りまとめられ公表されました。 フォローアップ会議としては、今回提言した案に沿って、速やかに東京証券取引所においてコーポレートガバナンス・コードの改訂が行われ、金融庁において対話ガイドラインが策定されることを期待するものとされています。 (コード改訂案と対話ガイドライン案についての基本的な考え方) 1.経営環境の変化に対応した経営判断 多くの企業において経営環境の変化に応じた果断な経営判断が行われていないとの指摘がなされている。、事業ポートフォリオの見直しなどの果断な経営判断が重要であることや、そうした経営判断を行っていくために、自社の資本コストを的確に把握すべきことを明確化する必要があると考えられる。 2.投資戦略・財務管理の方針 企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、戦略的・計画的に設備投資・研究開発投資・人材投資等を行っていくことも重要である。 また、その際には、投資戦略と整合的で、資本コストを意識した適切な財務管理を行っていくことも重要である。 3.CEOの選解任・取締役会の機能発揮等 経営陣において、特に中心的な役割を果たすのはCEOであり、その選解任は、企業にとって最も重要な戦略的意思決定である。他方、多くの企業においては、こうしたCEOの育成・選任に向けた取組みが不十分であることが指摘されており、客観性・適時性・透明性ある手続を確立していくことが必要と考えられる。例えば、CEOの選解任の基準は未だ整備が進んでおらず、後継者計画についても、取締役会による十分な監督が行われている 企業は少数にとどまっている状況にある。更に、近年、指名委員会を設置する企業は増加しつつあるものの、CEOの選解任プロセスの独立性・客観性を強化する上では、指名委員会の設置・活用を更に進めていくことが重要となる。 4.政策保有株式 政策保有株式について、投資家と企業の間で、これまで以上に深度ある対話が行われることが重要であり、企業には、個別の政策保有株式の保有目的や保有に伴う便益・リスクを具体的に精査した上で、保有の適否を検証し、分かりやすく開示・説明を行うことが求められる。また、政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針をしっかりと開示することも重要である。 5.アセットオーナー 母体企業においても、企業年金の運用が従業員の資産形成や自らの財政状態に影響を与えることを十分認識し、企業年金がアセットオーナーとして期待される機能を実効的に発揮できるよう、自ら主体的に人事面や運営面における取組みを行うことが求められる。
|